わたしの話

昼は社会人、夜は大学生の二足わらじのわたしの話

拝啓、彩瀬なる様

私はずっと、ピンク色の主人公が嫌いだった。

おじゃ魔女ドレミのドレミちゃんも、プリキュアの子たちも(プリキュアは初代が黒と白だったからよかったのにゴーには萎えた記憶がある。)

 

だから、最初きみのこともそんなに好きじゃなかったんだよ彩瀬なるちゃん。

 

ピンクのメインキャラは主人公で、ドジで勉強が苦手で、天然みたいな無知故のような行動でみんなを引っ掻き回す。そんなイメージできみも例外そんなイメージの型に嵌まっていそうだった。家族はみんないい人で、そんな素敵な家族に囲まれて育っているきみが私を苛つかせた。

きみは王道のストーリーでプリズムストーンの店長になった。シンデレラストーリーのようにプリズムショーを初めて男の子と出会って、プリズムショーもぐんぐん上達した。だから私はきみが嫌いだと思った。

私がきみを好きになったのは、あの時だ。きみが初めて涙を流して見せたあの時。

なんで泣いているかわからなかったね。私はその顔を見て胸が締め付けられる想いをしたよ。きみは、主人公だから作中に出会うイケメンと恋に落ちるのだと思ったんだ。コウジでもヒロでも、もちろんカヅキ先輩でも。だれでも。けど、きみは泣いてしまった。

なるちゃんは最初から一貫して強い女の子だった。初対面のコウジに「あなたの歌をください」と不器用に、けれど臆せずに伝えた姿も、謝罪をした姿も、コウジの歌が素敵なものだと伝えたかった姿も。

ヒロ様の手を取らずに立ち上がったなるちゃんは確かにひとりで立てたんだ。だれかの手を必要としなかったなるちゃんは本当に強い女の子だった。

だから涙を見たくはなかった。この女児アニメの主人公の涙は一粒で素敵な力が芽生えるわけでも世界を救えるわけでも愛しの人が目覚めるわけでもなく、勿論深い泉にもならなかった。

コウジがいとちゃんに渡したラブレターと捉えられた曲に赤面してはぴなると笑った。勘違いしたいとちゃんに仲裁をした。ふたりが好きあってることを知って、背中を押した。無自覚とはいえ、きみは本当に強い女の子だった。なるは、流石店長だと褒められ、みんな笑顔だった。

だから、きみに泣いてほしくはなかった。けれど理由もわからずに泣いてしまったんだ。それが、どんなに純粋で眩しいことなのか。そして、それを慰めてくれたのはりんねちゃんだった。

 

沢山の出来事のなかで、少しずつ成長したね。王道のメインキャラのストーリーとは違ってあんまり男っ毛はなかったけど

「例え辛くてもそのあとにいいことが待っている」そんな意味のハッピーレインで仲間と一歩一歩歩いていく姿はヒロインそのものだった

 

プリズムクイーン候補と呼ばれた時は主人公補正だと思った。けれど、きみは誰よりも強い想いを胸に秘めていた

だから、きみの周りにはいつも沢山の人がいたんだねなるちゃん

プリズムショーができなくて、ラブリーが消えてしまって、その時にいつもみたいに笑わずに覚悟を決めた、とても強い顔をしていた。けれど、リンクでは笑顔だったね。上手にできたプリズムショーができなくて、転んでは諦めないと立ち上がったその強い姿に幸せを願わずにはいられない

2540カラットと得点はとれなかった。けど、みんなきみを応援せずにはいられなかったんだよ。それがきみの強さで美しさだった。本当の勝者なんて綺麗事はいらないから、彼女になんらかの栄光を与えてほしかった

りんねは元の世界へ戻っていった。この世界に留まるりんねとはまた違う選択をして、なると別れた

親友と別れたなるちゃんは、さよならを言わずにありがとうと笑った。きっとまた会えると信じて。

きみは少し大人になった。少し美人になった。

最後に初めて失恋だと気づいたなるちゃんの笑顔に、なるちゃんの幸せを願わずにはいられない。

 

きっときみにはいつか、好きな人ができる。その人と付き合う。それはきっとプリズムショーとはなんの関係もない人なんだろうね。そうして、また綺麗になっていく。私はそれを観ることはできないけどそうしたらその人に沢山のはぴなるを貰ってね。わたしはきみになにもあげられないから、せめてその人の腕の中ではぴなるでいてね。  

 

拝啓 彩瀬なる様

わたしより